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イチョウの出現は約2億5千年前であるとされています。十数種類が地球全域にわたって繁殖しましたが、6千万年前の大氷河期に1属1種を中国の南部地帯に残して絶滅したと考えられています。残されたその樹種が11〜12世紀頃に中国から日本へもたらされ、江戸時代中期に長崎に滞在したドイツ人医師によってヨーロッパに紹介されたといいます。
古くから中国でも日本でもイチョウの薬効を認め、外種皮を除いた種子の銀杏は鎮咳、去痰、夜尿症、頻尿によいとし、民間療法では葉を煎じて心臓病に用いられてきました。
ドイツで開発されたイチョウ葉エキスは、高年者のボケ防止、血流循環改善剤などとして高く評価され、先導役のドイツを始め、フランス、イタリア、スイス、オーストリア、さらに台湾や韓国などでも医薬品とされ、アメリカ、イギリスでも非常に有望なサプリメントとして扱われています。特にアメリカの医療関係者によって、イチョウ葉エキスが痴呆症やアルツハイマー病に有効であると報告された1997年以降は、その影響が世界的に及んだ感があります。
現存する植物の中でも最も原始的な種類に属するイチョウが日本を経由してヨーロッパに渡り、今それが各地で新しい薬用植物として桧舞台を与えられています。また、これはあまり知られてはいないことですが、それらに用いる大量のイチョウ葉の多くが日本の新潟や茨城、群馬などで契約栽培されており、これは生薬類が産地によって有効成分や薬効に差異が生ずる為の選択であると言うことです。
イチョウ葉の有効成分としては、30種類以上にも及ぶフラボノイドにあるとされています。フラボノイドは植物に含まれている色素成分で、種子の発芽や成長の調節物質であると共に、太陽の紫外線を吸収し、内部組織を保護する作用などが考えられており、人体に入ると毛細血管の保護、活性酸素を抑制する機能などを発揮しますが、特にイチョウ葉には二重フラボン(ギンケラチンやイソギンケラチンなど)がふくまれ、ほかの植物のフラボノイドに比べ血液循環効果が数倍強いとの研究もあります。
イチョウ葉に特有の成分のギンコライドは、化学的にはテルペン類に属する有機化合物で、血小板活性化因子の働きを阻害し、毛細血管の拡張と血行促進、血栓防止、血圧の調整、脳の血流量の増加、老廃物の排泄を促進する作用があり、老人性痴呆症に有効であると考えられています。
ほかにも毛細血管を強化するルチン、血圧降下作用のあるケルシトリン、肝機能を高めるシリマリン、血管を拡張し、血流をよくするテポニンなども検出され、これらが相乗的に働くことによって、生活習慣病や高齢化に伴う不定愁訴、退行性痴呆症、慢性脳血管障害、虚血性末梢循環不全、心不全、平衡障害などにまでその効果が及ぶと考えられています。