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カロチンは、カロテンとも呼ばれています。生物界に広く分布する黄色、橙色、赤色の脂溶性色素を総称してカロチノイドといいますがその中で炭化水素のものはカロチン類に分類されます。カロチン類には、αカロチン、βカロチン、γカロチン、リコピンがあります。α、β、γのカロチンをひとまとめにしてカロチンと呼ぶこともあります。カロチンは緑黄色野菜に多く含まれていて、人の体内でレチノールに変わるビタミンA前駆物質(プロビタミンA)です。
βカロチンは、カロチンの中で最も多く存在し、早くからその効力に注目されていました。βカロチンの多くは小腸かの粘膜でレチノールに転換されて吸収されます。しかし、一部はβカロチンのまま吸収されて、脂肪組織にそのままの形で貯蓄されます。貯蓄されたβカロチンは必要に応じてビタミンAに転換されます。したがって、βカロチンは医薬品などの形でビタミンAを摂りすぎたときに起こる過剰障害を心配せずに摂取できる利点があります。
βカロチンは始め体内脂質の過酸化を抑制する抗酸化剤として注目されました。しかし、ハーバード大学医学部で心臓病患者が積極的にβカロチンを摂取すると心筋梗塞、脳卒中の死亡が半減し、LDLコレステロールによる血管の閉塞を防ぐ作用があることを発表し、また、アリゾナのガンセンター大学では、βカロチンの連続投与のよって口腔ガンの前がん症状が激減したことが報告されました。
これらの効果がビタミンAと異なるメカニズムによることが明らかにされると、βカロチンが単にビタミンA前駆物質としてだけでなく、βカロチン自体が固有の作用を持つ機能性成分として重視されるようになりました。